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すごい自然のショールーム
環境政策技術マネジメントコース
東北大環境科学研究科
ものづくり生命文明機構
ネイチャーテクノロジー研究会

東北大学



Executive Summary
 石田研のフィロソフィーについて

「自然に学ぶ粋なテクノロジー」

昼は50℃、夜は0℃を下回るサバンナ地帯に住むシロアリの巣の中の温度はなぜいつも30℃なのか?そこから無電源エアコンが生まれた。カタツムリの殻はなぜ汚れないのか? そして、雨が降れば汚れが落ちるビルや汚れの付き難いキッチンが生まれた。泡は熱を運び、弾けるときに出す超音波は洗浄機能を持つ、そして水の要らない風呂ができた。

自然は、われわれが見習うべきテクノロジーの宝庫なのである。それだけではない、われわれは自然から新しい暮らし方の知恵を学ぶこともできるのである。こんな自然のすごさを賢く活かすテクノロジーをネイチャー・テクノロジーと呼ぶことにした。

地球環境問題は多くの努力にも拘らず劣化の一途をたどり、このままでは2030年頃、文明崩壊の引き金を引くことになるだろう。そもそも「地球環境問題とは何か」、エネルギーや資源の枯渇、生物多様性の劣化、水や食料の分配の問題、地球温暖化に代表される気候変動、急激な人口の増加は何故起こったのか、その原因が人間活動の肥大化であることは明らかである。地球環境問題とは、人間活動の肥大化を人間の本質である心豊かに暮らすことを担保しながら、如何に停止・縮小できるのかということなのである。

では、「どうして地球環境問題は起こったのか」、それは文明の暴走の結果である。叡智は文化に起因し、テクノロジーの集積が文明をつくる。本来、文化と文明は互いに刺激し合うことにより成長するものである。ところが、テクノロジーはブラックボックスだらけとなり、文化を置いてけぼりにして暴走を始めてしまったのである。何故か、それは、この2つを繋ぎとめていた自然観の欠如に他ならない。そして今、イギリスでの産業革命成功の起爆剤となった自然観との決別によって生まれたテクノロジーが、文明崩壊に向けて、人間活動の肥大化を煽り続けているのである。

今、われわれに求められているのは、自然観を持った新しいテクノロジーによる、地下資源文明から太陽と自然の恵みを活かす生命文明の創出なのである。自然は淘汰を繰り返し、完璧な循環をもっとも小さなエネルギーで駆動し、そして持続可能な社会を創り上げた。自然観を失うことなく、それを見事に受け止め、世界でも例のない「粋の文化」を生み出した日本、この「粋」の概念をテクノロジーに写し取ることで生まれたのが、自然のすごさを賢く活かすネイチャー・テクノロジーなのである。そしてこれこそが、新しい文明創出に求められるテクノロジーの形なのである。

ネイチャー・テクノロジーは4つの要素からなる。それは、自然の完璧な循環に学ぶ超低環境負荷・高機能テクノロジーであり、誰にでも理解できる簡にして明なるテクノロジーであり、愛着がわき、 コミュニティーやコミュニケーションを生み出すテクノロジーである。

今、そんなテクノロジーが次々と生まれはじめ、それによる新しいライフスタイルも見えてきた。残された時間はあまりない、今こそ地下資源文明から生命文明へ大きく舵を切るときなのである。そして、今尚、高い自然観を持っている日本人がこの新しい一歩を世界に発信する義務を負っているのである。



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